物語 シンガポールの歴史
どーも、いろんなところが緩くなってるおっさんです。
シンガポール1人旅の前に読んだ本がこちら。
物語 シンガポールの歴史
感想は
いやぁ、読んで良かったです。
200年前から2013年までのシンガポールの歴史を横断的に知ることができました。
その間、シンガポールの支配者が誰だったのか、イギリス植民地時代、日本占領時代、自立国家の模索時代、独立後はリー・クアンユー時代、ゴー・チョクトン時代、現在のリー・シェンロン時代に分けて動きと特徴を知りました。
また、以前読んだ「リー・クアンユー世界を語る」と「シンガポール謎解き散歩」が、時代背景と歴史を知ることでより深く理解することができました。
特に印象に残ったのは
「シンガポール株式会社」という言葉です。
比喩的に言うと、社長が創業者オーナーのリー・クアンユー、副社長がリーの片腕ゴー・ケンスィー、営業部長がエリート開発官僚、一般国民が事務職や現場の社員に相当する。
そして、株式会社なので利益獲得に経営原理が置かれ、社長の大号令以下、社員一丸となって会社の発展に励んだのである。
ぐぬぬ、さすがですね。
シンガポールという国を株式会社に例えて表現されていて、おっさんの腹に落ちました。
宿命的構造と特質について、シンガポールは社会が国家を生み出したのではなく、二つの時代(植民地時代と独立後時代)ともに国家が社会を創ったものなのである。
社会がなく、国家が社会に先行して誕生するとどうなるのか、その解答は強力な国家である。
なるほど、だからアジアの中で頭1つ抜けた経済大国になれたのですね。
リー・クアンユーの特徴について、彼がこれまで闘ってきた相手の特徴を言及した上で、反共主義者、反民族主義者、反自由主義者、それにエリート、これがリーの中身なのである。
なるへそ、まさにその通りだと思います。
アジアの国々について、インドネシアは「ジャワ民族とイスラーム教」、マレーシアは「イスラーム教とマレー民族」、タイは「仏教と国王」そしてシンガポールは「経済発展と人民行動党」になる。
言葉の選び方がアカデミックでいーですね。
人民行動党の歴史もダイナミックで面白いです。
日本とシンガポールについて、二つの顔がある。日本占領時代を経験した年配国民には軍事大国、若い世代には経済が豊かで礼儀正しい国というイメージが強い。
日本占領時代に多くのシンガポール人がどのような想いをしたのか、また敗戦後にどのような動きがあったかを知ることができました。
1980年の「日本に学べ」キャンペーンで日本の警察交番制度が採用されてシンガポールの安全を守っていると知りました。
著者のシンガポールへの造形の深さに感心して、何度も「先生!めちゃめちゃ詳しいっすね」と思いました。
しかしながらですね、
先生これ、
つまらないです。
難解な文章が多くて読み進めるのが苦痛です。
読者を楽しませようと思って書いてませんよね。
内容も政治と経済に偏っていて、食文化や伝統についての記述はほぼありません。
大学時代に読んだくそつまらない経済学の教科書を思い出しました。
しかしながら、そうは言っても、シンガポールという国の歴史が物語として綺麗にまとまっているので読んで損にはなりません。
シンガポール1人旅の前に、シンガポールの歴史と政治経済をお勉強させて頂きました。
シンガポール国立博物館に行って楽しむ下準備がととのいました。
シンガポール1人旅の前に読んで良かった本であることに間違いありません。