プライベートバンカー
どーも、胸と肩と上腕三頭筋が筋肉痛でいい感じのおっさんです。
実はですね、
1年前にこの本を読んで、おっさんはシンガポール旅行に行くことを決めたんですよ。
プライベートバンカー 清武 英利
著者は元読売新聞記者&あの有名な元読売ジャイアンツGMの清武さんです。
初版が2018年10月です。
私が今の会社に移籍したのも2018年10月ですから、広い意味で同期ということになりますね。
会社のとある気の良い先輩から「これおもしろいよ」と聞き及び、移籍3カ月後の2019年の正月に読みました。
主人公の杉山智一(なんと実名)は野村証券出身の40代金融マンです。
杉山がBOS(bank of singapore)に移籍し、日本人の富裕層相手のプライベートバンカーとして働きながら成長していく物語。
富裕層とその資産を護るバンカー達がシンガポールを舞台に様々な人間模様を描いていく。
ほぼノンフィクション。
野村証券を飛び出してシンガポールのプライベートバンカーへ飛び込んで行く杉山は、私と同じ年代の40代です。
しかも同じ移籍組の金融マンなので、感情移入がとてもしやすかったですよ。
この本を読んだことで色々なことが理解できました。
例えば、私の顧客(富裕層)がよくシンガポール移住の事を言ってました。
なぜ、富裕層が日本を捨ててシンガポールへ行くのか、この本のおかげで顧客の気持ちがよくわかりました。
(この本を読む前はあまりよくわかってませんでした)
なんせシンガポールは地方税とキャピタルゲイン課税がありません。
配当と利息も非課税です。
さらに所得税は最高で20%(日本は45%)
おまけに贈与税と相続税がない、オフショア(課税優遇地)です。
しかも当時のシンガポールの永住権は金で買えたのです。
例えば100億円の資産を運用して年間5%で5億円の収益が出た場合を考えてみましょう。
日本の場合、半分位は所得税などでもっていかれるので、約2億5千万円を納税しなければなりません。
10年で25億円も納税するのです。
しかも、死亡が発生するとさらに半分位は相続税でもっていかれます。
ところが、シンガポールでは非課税なので、まるまる手残りです。
さらに相続税が非課税なので、次の世代まで税コストゼロで資産を移転することができるのです。
そりゃ移住するわ(笑)
また、移住者の悩みや、国税の動きなど新聞で読みかじって何となく知ってはいましたが、本書を読む事で背景を知り、より理解が深くなりました。
特におっさんの印象に残ったのは、
30代で300億以上を手にして女優山本梓と結婚しシンガポール移住をした梶原吉広というIT長者。
彼は自身のモバイルゲーム会社を韓国のゲーム制作会社へ売却して多額のキャピタルゲインを手にしました。
実名なので、生々しく迫ってくるものがありました。
やはり記者出身の作家さんが書くルポルタージュや小説は、人物描写や設定が細かく正確なので読み易くて面白いですね。
それから、本当にあった話しなのですが、以前、私の仲良しの証券マンもBOSからのスカウトがあったと聞きました。
彼はその話しは断って現在日本で富裕層相手のファミリーオフィスを経営していますが、もしBOSに入社していたらどうなっていたんだろうかと想像が膨らみます。
物語に出てくる人物達は、私の同僚や知り合い、顧客にいるような人達ばかりで、
あ〜あるある
わかるわ〜それ
と金融アルアルに何度もうなずきながら読みました。
さて、おっさんがシンガポール旅行で行ってみたい聖地がこちら。
焼き鳥屋「馬」
物語の初めに、パチンコ業で成功した日本人移住者カウス氏とBOSアシスタントの咲子が「馬」で焼き鳥食べてるんですよね。
村上ファンドの村上氏も通うというこのカッページにある焼き鳥屋に行って、物語の空気を感じてこようと思います。
駐在員から富裕層まで多くの日本人が集まる情報交換の場所です。
物語に出てくる、ベレー帽を深めに被り話しかけるなオーラを出している孤独な富裕層を見に行きたいと思います。
「リパブリックプラザ」
BOSが以前入っていたビル。建築家の黒川紀章の設計でマーライオンを眼下に見下ろす。
伝説の小豆相場士、長谷川陽三氏のオフィスもこちら。
物語の舞台になったこのビルも、聖地巡礼で行ってみようと思います。
「シティホール周辺」
多数の銀行や証券会社がひしめく金融街。
金融国家シンガポールの象徴。
金融マンとして、必ず見ておきたいところですね。
「マリーナベイサンズ」
物語の中でカジノにはまる日本人富裕層が出てきます。
私はギャンブルはやらないのですが、200mを超す3つの棟からなるシンガポールNO.1の超高級ホテルに、生意気にも泊まる予定ですので、物語の雰囲気を味わいたいと思います。
シンガポール旅行前に1年振りに読み返したのですが、新たな気づきや発見がありました。
ますますシンガポール旅行が楽しみになりました。